アズレンブルー |ジャーマン カモミール 

この記事では、看護師でありクリニカルアロマセラピストが、ジャーマンカモミールの畑を訪れた様子を綴っています。

また精油や蒸留の方法、カマズレン・アズレン・アズレンブルーといった成分についても、わかりやすくご紹介します。

肌にも心にもやさしいジャーマンカモミールの魅力を感じながら、日常の中で「自分を取り戻すひととき」を見つけていただけたら嬉しいです。

Snowzegarden│看護師セラピスト
yukina


ジャーマンカモミールの収穫のため、北海道石狩市のハーブ農家さんを訪ねました。午前中は収穫。午後から蒸留という、なかなかハードなスケジュール。

カモミールは「ローマン」と「ジャーマン」の2種類がアロマセラピーの精油として使われますが、先に収穫が始まるのはジャーマンの方で、そのあとにローマンの時期がやってきます。同じカモミールですが、実際に嗅いでみると香りはまったくの別物。今回は満開のジャーマンに出会うことができました。

花の部分だけを摘んで、贅沢に。午後の蒸留に使うため収穫を頑張らねばなのですが、どうしても広がる素敵な香りに癒されモードになってしまいます。

カモミール効能

ジャーマンカモミールは、激しい怒りに使う精油です。普段は薬のような強力な香りに感じますが、激しく怒っている時に嗅ぐと、本当に驚くほど心地よい香りに感じられ、実際に体験してみると、怒りがふっと消えてしまったこともあります。

また後に登場する青い成分は、クリニカルアロマセラピーにおいて消毒やアレルギーの対応に用いられてきた歴史があります。

カモミールの蒸留

お花は300gを使い、今回は芳香蒸留水という水分をメインに蒸留しました。蒸留には時間がかかる為、その間も他の方法でカモミールを堪能します。お花を植物油に浸けるインヒューズドオイル、アルコールに浸けるチンキ剤をつくりました。

芳香蒸留水って?

セラピスト
セラピスト

芳香蒸留水は、精油と同時に採れる水分です。この水分にも植物の成分が含まれます。今回はこの水分がメインで蒸留をしました!

アズレンブルー

ジャーマンカモミールといえば、特徴的なのは色が「青い」こと。ジャーマンカモミールを代表する特徴成分、カマズレンの色です。写真のビーカーは採れたてのジャーマンカモミールの芳香蒸留水。とても新鮮なジャーマンの花だったので、アズレンブルーと呼ばれる素敵な青色に出会うことができました。

蒸留が進むにつれて、香りや色が徐々に濃くなっていきます。ビーカーを並べてみると、左側が最初に採れたもの、右側が最後に採れたものです。色が変われば香りも変わるはず…と思い、嗅ぎ比べてみると、やはりまったく違いました。時間が経つごとに青みが増したビーカーの香りは、より濃く深く感じられます。こうした違いは、実際に体験してみないとわからないもの。とても素敵な経験になりました。

もともと青くないジャーマンカモミールの花から、なぜこんなに美しいアズレンブルーが生まれるのでしょうか?

その理由は花に含まれるマトリシンという成分が関係します。このマトリシンが熱を加えることで「カマズレン」という青い成分に変化するのです。このアズレンブルーを生み出してくれるのはなのです。

ジャーマンカモミールのハーブティーを飲んだことがあるけど、青くないですよね?

セラピスト
セラピスト

そうなんです!長い時間、熱を加えないとこのブルーには出会えません。蒸留することで得られるメリットですね。

実は身近なブルーの成分

ドラックスストアに行った時、うがい薬の売り場を覗いてみてください。お馴染みの茶色い薬以外に青いうがい薬があるはずです。アズ~という名前になっているので見つけやすいと思います。

カマズレンの研究が進んだ結果、薬として利用されるようになりました。そのため、美しい青色が現れます。植物からこうして薬や有効成分が生まれる例は、ほかにもたくさんあります。

当店で取り扱っているジャーマンカモミールで作られた石鹸も、カマズレンの青の影響でこんな素敵な色をしています。北海道の下川町で作られています。

カモミール石鹸
ジャーマンカモミール

植物の蒸留会

当店では素敵な植物が手に入った際、植物の蒸留会を開催しています。

こちらは当店で蒸留をした時の写真です。細い試験管、上澄みの青い部分が精油です。精油瓶から垂らす1滴にも満たない量しか採れません。蒸留体験をしていただくと、1滴の大切さや植物の成分がどれだけ濃縮されているのかが分かりやすいです。精油を安全に、より自分に合う種類や方法で使っていただくこと。それを伝えていくことがクリニカルアロマセラピストの役割だと考えています。Instagramでは過去の蒸留動画や植物蒸留会を開催のお知らせをしておりますので、ぜひご覧ください!