300種類以上の香りを嗅いでわかったこと|天然精油と人工香料の違いをテーマにしたブログタイトル画像

今回、平安時代に好まれた香りから、
植物から抽出された天然の精油、
そして現代の人工香料にいたるまで、
300種類以上の香りを実際に嗅ぐことができるイベントに参加してきました。

多くの香りに触れる中であらためて実感したのは、香りは頭で理解するものではなく、
まず心身が先に反応しているということです。

この記事では、300種類以上の香りを嗅ぐ中で見えてきた、心身の反応の違いと香りの選び方のヒントを記載していきます。

Snowzegarden│看護師セラピスト
yukina


お香と精油と人工香料

アロマの香りを選ぶとき、判断基準にしていること

① お客様に香りを選ぶとき

サロンでお客様に精油を選ぶとき、
「これは何に効きますか?」と聞かれることがあります。

もちろん、精油にはそれぞれ特徴や傾向があります。
けれど実際に判断の軸になるのは、知識よりも、香りに触れたときの心身の反応です。

私はサロンで、お客様がどれくらい香りを吸えているか、呼吸の前後の変化をひとつの目安として見ています。

② サロンで使う精油そのものを選ぶとき

たくさんのメーカーからエッセンシャルオイルを選ぶときも、最終的な判断基準になるのは、自分自身の心身です。
ある意味、自分での実験のようなものかもしれません(笑)。

そんな考え方になった背景には、香りを取り巻く環境そのものが、少しずつ変わってきていることもあります。

2025年、私にとって大きな出来事のひとつが、これまで使い続けてきたラベンダーが、気候変動の影響で手に入らなくなったことでした。

育ちが思わしくなく、精油として蒸留できない、という知らせ。気に入って使っていただけに、そしてSnowzegarden EOとして販売もしていた香りだっただけに、簡単に受け入れられるものではありませんでした。

ラベンダーは、アロマセラピーの中でも基盤となる香りのひとつだと感じています。
ブレンドの土台になりやすく、心身の緊張をほどく役割も大きい。

そのラベンダーが変わると、調合したときの雰囲気は、思っている以上に大きく変わります。

セラピストの中には、お気に入りのメーカーを決めて一式を同じところで揃えている方も多いと思います。実際、私の精油ボックスを見た方が、メーカーの違う瓶がいくつも並んでいることに驚かれることもありました。

香りの選び方は、セラピストの個性でもあり、
使う精油の品質で、サロンの品質がほぼ決まってきます。

だからこそ、香りを選ぶときは、
そのとき香りに触れた瞬間の心身の反応をあらためて確かめるようになりました。

その反応と、当店の仲間であるほかの精油達とブレンドした時にどのように香るのかを見ながら、新しいラベンダー精油を決めたのが、今年一番の大仕事でした。

300種類以上の香りに触れて見えてきた、心身の反応の違い

① 平安時代の香り

お香に火を灯し、香りの立ち上がりや変化を体験している様子|香りの体験記録

このイベントでは、
平安時代に親しまれていた「菊花(きっか)」というお香も体験してきました。

電気香炉から立ちのぼるその香りは、
いわゆる“癒し”とは少し違い、
場の空気を引き締め、品格をまとわせるような印象があります。

平安時代、香りは心を休めるためのものというより、身分や教養、高貴さを示すものとして使われていました。
高貴な方が装いにまとっていた香りの余韻から、
「少し前に、あの方がいらしていたのね」と分かる——
そんな、時間や人の気配を伝える役割も担っていたそうです。

実際にその香りに触れてみると、
気持ちがゆるむというよりも、
背筋がすっと伸びるような感覚が先に訪れました。

こうした香りの使われ方を知ると、
現代のSNSで使われている「匂わせ」という言葉も、もしかしたら、人の気配や存在を香りで伝えていた文化の延長線にあるのかもしれない、そんな話を会場のスタッフの方と交わした楽しい時間でした。

② 植物から抽出された天然の精油

複数のエッセンシャルオイルを嗅ぎ比べ、精油の香りの違いや反応を確認している様子

植物から抽出された天然の精油を嗅いだとき、
平安時代の香りとも、現代の人工香料とも違う反応があることを感じました。

香りが広がった瞬間に強く主張するというより、
呼吸に合わせて、少しずつ身体の内側に入ってくるような感覚。
「いい香り」と頭で判断する前に、
呼吸の深さや、吸っていて心地よさが先に訪れます。

天然の精油は、
心身が最も素直に反応してくれる存在のように感じました。

疲れているときは重たく感じることもあるし、
吸いにくいと感じるときもあります。
反対に、求めている香りのときは、
素直に心地よく体に入ってくる感覚があります。

300種類以上の香りを嗅ぐ中で、
植物由来の精油は、その日の体調や気分によって反応が変わりやすい特徴があることも分かりました。
同じ香りでも、
「今日は吸いやすい」「今日は少し強い」
そんな違いがはっきりと現れます。

だからこそ、
サロンで精油を選ぶときも、今の心身がその香りを受け取れているかを大切に。

忙しくて忘れていた自分を取り戻すのには、素直に体に入ってくる香りが心地よく、素直に心身に入ってくると自然と自分にも素直になれるのかなと思います。

③現代の人工香料

人工香料の単品香料を嗅いでいる写真

一番面白いと感じたのは、普段嗅ぐことがない人工香料でした。

わたし自身、人工香料はあまり得意ではありません。
木のステックが瓶にさしてあるタイプのリードディフューザーやドラッグストアで販売されている芳香剤などの人工香料は、通常、数種類の香料を組み合わせて作られています。

今回のイベントで嗅ぐことができたのは、いわゆる「単品香料」。
普段はなかなか嗅ぐ機会のない、組み合わせる前の香料です。

たとえば「リナロール」という香料を嗅ぐと、
ラベンダーのエッセンシャルオイルに多く含まれる成分なので、ラベンダーの雰囲気を感じることができます。
しかし、頭で「ラベンダーっぽい」と分かる程度で、心身に深く入ってくるような感覚はありません。
天然の精油のように「身体が先に受け取る体験が起こらない」ので不思議です。

だから香りは選ぶより感じる

天然の精油や平安時代のお香は、頭で「こういう香りだ」と判断する前に、心身が反応します。
落ち着く、緊張がほぐれる、呼吸が変わる——
香りに触れたときのこうした変化を観察することで、自分やお客様に合った香りを見つけることができます。

一方、人工香料は、成分としての香りを頭で認識することはできますが、天然の香りのように心身が深く反応することはあまりありません。

サロンで香りを選ぶときも、ブレンドを決めるときも、まずは香りを吸って、心身がどう反応するかを確かめる。この感覚を大切にすることが、香りを楽しむ上で一番の近道だと感じます。

さらに香りの世界を体験したい方へ

香りは心身が先に受け取るものだからこそ、
自分に合った香りを見つけると、日常が少し豊かになります。

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著者 yukina

著者 yukina

看護師&クリニカルアロマセラピスト(IFPA:東洋医学)

シンプルで、センスの良いものが好き。

健康マニアで香りマニア。そんな日々がつながって、2018年にSnowzegardenをオープンしました。

細かい作業も好きで、アロマのガラスからアクセサリーをつくっています。

一番好きな精油は、お会いしたときに熱く語ります。