アロマセラピストの調香日記｜秋の夜長にぴったりの、温もりと癒しを届ける秋ブレンド2024

アロマセラピーの魅力。それは無限の組み合わせだと思っています。
アロマセラピーの世界は、まるでパレットに色を混ぜ合わせるように、無限の可能性を秘めています。

同じ精油でも、混ぜ合わせる順番や割合、ベースとなるオイルによって、全く異なる表情を見せてくれるのです。難しいけれど、アロマセラピストにとってはそれも面白い所です。

毎年、春夏秋冬、季節の変わり目には、その季節にぴったりのブレンドオイルを調合するのが私の楽しみです。特に、秋は肌寒くなり、心も落ち着く季節。温かみのある、そしてどこか懐かしいような秋ブレンド２０２４を作ってみました。

新たな精油との出会い

アロマセラピストとして10年以上、様々な精油と向き合ってきました。多くの精油を試してきた中で、最近は新しい発見をする機会が少なくなってきたように感じていました。

最近、論文を読み、海外のセラピストとの交流を通して得たインスピレーションは、私を新たな香りの世界へと導いてくれました。その中心にあるのは、ある特別な精油。名前は知っていたのですが、他の精油で代用ができると思い、これまで手に取ることがなかったのです。しかし、この香りにとても惹きつけられました。その正体は、まだ少しだけ秘密。この特別な精油は冬のワークショップで登場予定です。今、心を込めて企画と準備を進めています。その魅力を余すところなくお伝えできる日が来るのが、今から楽しみです。

秋のブレンドのインスピレーション

まるで一冊の物語を読んでいるような、そんな感覚に陥る精油との出会いでした。その香りは、ページをめくるたびに変化する物語のように、時間とともに表情を変えていきます。今回の秋ブレンド2024では、この特別な精油にインスピレーションを受けて作りました。５つの精油を組み合わせて。目で楽しんでもらうとしたら、こんな温かい色たちに囲まれた香りです。

秋のブレンドのポイント

５つの香りをブレンドして、温かみがありつつ、なぜか爽やかさも合わせ持った１本です。夜にゆっくり読書をする、そんなお部屋にぴったりな香りになりました。組み合わせた理由はこちらです。

オレンジ:
[特徴と役割]今年のオレンジ精油は、例年より少し大人な雰囲気。精油もワインのように毎年香りが変わります。グリーン調の要素も例年よりあるので、甘くフレッシュになりすぎないのが今年のオレンジの良い所。香りに温かみを出すために選びました。秋は東洋医学的では、くよくよしやすい時期。そんな時に物事を受け流すのを得意とする精油です。最後までレモンにするか悩みましたが、温かさを出すならばオレンジです。
ロザリナ:
[特徴と役割]ティーツリーの仲間である当店ではおなじみのロザリナ。ラベンダーティーツリーという別名を持ち、ラベンダーに含まれる成分を持っています。それのおかげでゼラニウムの香りが浮かずに馴染むようにしています。
ゼラニウム:
[特徴と役割]冬が来る前に使っておきたい精油。東洋医学では、次の季節の準備をしながら今を整えるという考え方があり、次の冬に備えて選んだ香りです。
ユーカリ・ラディアータ:
[特徴と役割]そして秋に必要な精油代表のユーカリ。ユーカリはたくさん種類があり、からだを冷やす要素が強いものが多いのですが、この種類はそれが少なく、ゼラニウムと合わせることでユーカリが主張しすぎないようにしています。
サンダルウッド:
[特徴と役割]秋は東洋医学で言い換えると肺と呼びます。字のごとく呼吸に影響が出やすい季節。ユーカリは呼吸を吸うように促しますが、こちらは深く吸うように促すという違いがあります。日が短くなってくる時期に、心が落ち込まないようにする対策です。